笑いで始まる人の一生「胞衣(えな)笑い」

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眠っている赤ちゃんの顔は本当に可愛いものです。
時折、生まれて間もない赤ちゃんでも、ほんの1~2秒ですが
「ほほ笑み」の表情を見せてくれることがあります。

外的な刺激とは無関係にみせるこの赤ちゃん独特の「ほほ笑み」は、
生理的なもので、生後2カ月頃になると消えてしまいます。
この睡眠中の「ほほ笑み」は、成熟児に限らず、
未熟児にもよくみられるものです。

この新生児のほほ笑みを「胞衣(えな)笑い」と呼んでいる地方があります。
元々「胞衣(えな)」とは、胎児の羊膜と胎盤のことで、
産後、胞衣を壺や桶に収めて土中に埋納する習慣があり、
埋めた者が笑って帰るという俗習のことを「胞衣(えな)笑い」と言い、
大津や沖縄に残っていたそうです(広辞苑より)。

胎内で10カ月お世話になった感謝と、
これから子どもがすくすくと育ちますようにという
願いを込めて行われたものだったのでしょう。
これが、いつからか新生児の「ほほ笑み」を指すようになったようです。

生まれて2、3週間もすると、赤ちゃんの目をじっと見つめながら
笑いかけると、こちらの表情を真似て時々赤ちゃんの表情がゆるみます。

これが生後1カ月を過ぎると、しっかりと物を見つめるようになり、
あやされたり、話かけたりといった外からの刺激に対し、
「社会的ほほ笑み」が芽生え始めます。
こうなると、親のこれまでの苦労を忘れさせ、
さらに周りの人まで楽しい気分にさせてくれます。
やがて大きな声をたてて笑い始めると、もう立派に家族の一員ですね。

赤ちゃんは、最初のうちは、こちらから笑いかけないと
なかなか笑ってはくれません。
笑いかけの上手なお母さんの子どもほど、早くから笑い始めます。
赤ちゃんは自分の笑いに対する大人の反応を見て、
笑い上手になっていくのです。

でも、いつの間にか簡単には笑わない、
「ほほ笑み」を忘れた大人に育っていくのはどうしてでしょうか。
ほほ笑み返すだけではなく、自らほほ笑みかける習慣をみんなが身につければ、
もっともっと明るい社会になるのになあと思います。
(平成23年冬)
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