赤ちゃんと痛み

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小泉内閣(第87〜89代)のスローガンは、痛みを伴う構造改革でした。
政治は国民の痛みを少しでも和らげるためのものなのに、
国民に痛みを強いる、開き直ったこの表現がどうして
大衆受けしたのか、今でも理解に苦しむところです。

病気が辛いのは、病気には「痛み」が付きものだからです。
最近の研究から、赤ちゃんは大人よりも
「痛み」に敏感であることが明らかにされました。

新生児集中治療室の保育器にいる小さな未熟児は、
気管内挿管され、一日に何回もカテーテルで吸引操作を受けます。
張り付いた絆創膏を剥がすときの痛み、採血のための針刺し。
そのたびに眠りを覚まされ、たまらず手足を大きくばたつかせて訴えます。
この新生児期に体験する「痛み」が脳に刷り込まれ、
「痛み」により敏感な子どもに育っていくと言われています。

外来の採血室からは、毎朝通路にまで響き渡る赤ちゃんの泣声。
泣きわめいても、麻酔剤の進歩の恩恵を被ることなく、
ただ無理やりに押さえつけて行われてきたのが子どもへの処置でした。

こども病院では今「痛みのない処置こそ、最高の小児医療」を
スローガンに、麻酔科医師を中心に痛み追放作戦を展開しています。
マルク(骨髄穿刺)やルンバール(腰椎穿刺)などでは積極的に麻酔を導入。
日帰り手術で麻酔をする時は、オルガンの演奏を聴きながら、
麻酔から醒める時も音楽を聴きながらなど、手術現場に音楽療法を取り入れ、
こどもから手術への不安を取り除く工夫もしています。
(2004.夏)
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