ユビキタス・ネット社会は子どもの敵

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インターネットやモバイルなどで、
「いつでも、どこでも、誰でも」ネットワークに簡単につながる
ユビキタス・ネット社会の実現に向けて
国はu-Japan計画を進めています。
私自身もこれまで診断・治療法の開発で、
効率、利便性を最優先する「ユビキタス」、
すなわち「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」を
目指してきましたが、果たして子どもたちにとって
過ごしやすい社会をもたらしたか疑問に感じている昨今です。

コンビニが深夜まで煌々と明かりを灯す
昼夜の区別のない日本の社会は、
子どもたちのライフスタイルを夜型とし、
概日リズムに破綻をもたらしています。
インスタント食品や外食は、子どもたちを高脂肪・高カロリーの
欧米型の嗜好とし、生活習慣病の予備軍にしてしまいました。
また、電子レンジや冷凍食品に頼る家庭での料理、
パッケージツアー、映画館に行かずに家庭でのビデオ鑑賞と、
何もかもが安易に過ごせる日常生活は、
家庭での人間的な触れ合いや交わりを奪い、親子関係を希薄にしました。

インターネットやモバイルによるユビキタス・ネット社会は、
運動力の低下はもちろん、子どもたちから
想像力や創造性を奪うことになります。
大きくなっても人との出会い、交わりができず、
自己中心的な、他人への思いやりに欠ける行動をとらせ、
すぐに人を傷つけてしまう少年犯罪に結びついていく恐れが大です。

ニューヨークの大停電ではないですが、
月に一度「電力供給ゼロの日」でも設定すれば、家族が一堂に会し、
あたたかい人間関係が生まれ、
生き生きとした明日の生活を営めるかもしれませんね。
(2006.夏)
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