阪神・淡路大震災で学んだ心のケア

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2011年3月11日の東日本大震災は、地震の揺れだけでなく、
津波、また人災とも言える放射能災害の複合型災害で、
我々が経験した阪神・淡路大震災とは比較にならない
甚大な被害をもたらしました。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉が
広く知られるようになったのは、阪神・淡路大震災の時。
災害は、子どもの心に大きな影響を与えることを知りました。
子どもには災害の正体が分からず、
また、自分で対処できる範囲も限られているために、
余計に不安になってしまうからです。

恐ろしい体験や喪失体験(親しい人との別離、住居の損壊、
生活環境の変化、おもちゃ・人形の紛失など)、
或いは、長期にわたる異常な生活環境(避難生活、食生活、
大気汚染など)は強いトラウマ(心的外傷)となり、
その後の日常生活に障害をもたらします。
子どもたちは、心と身体が未分化であるために、
そのような影響は精神的な問題として表れるよりも、
むしろ身体的な症状や行動上の問題として表れるのです。

震災後、神戸大学小児科では、兵庫県、神戸市の児童相談所の方々と、
子どもたちの心の障害の長期化を防ぐべく、
「阪神大震災を体験した子どもの精神的ケアについて」という
リーフレットを作成しました。
これは、東日本大震災を経験された方々にも参考にして頂いています。
その中で、ストレスを抱えた子どもたちと接するにあたり、
5つの留意点を挙げています。

1)子どもに安心感を与えるように。抱きしめてください。
2)子どもが悲しみや恐怖の感情を話すようなら、十分に聞いてください。
3)子どもたちをひとりぼっちにしないように。
4)他の子どもとよく遊ばせるように。
5)お手伝いをさせ、自分が役立っていると子どもに実感させてください。

これらの留意点は、災害時だけでなく、
普段の子育てにおいても、とても大切なことですね。
(2011.夏)
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