こどもの時間外救急は隙間医療で

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不況でもベンチャー企業家による「隙間産業」は
したたかに活躍しています。
「隙間産業」とは、既存の商品や販売法のすき間を縫うようにして
売り上げを伸ばそうとする産業のことで、
別名「ニッチ (niche)産業」ともいわれ、
大手資本が手をつけないところです。

こどもの時間外救急患者のみを対象とする
「阪神北広域こども急病センター」の医療は、
病院という大規模資本、施設が手をつけたがらない、
まさに「隙間産業的医療」です。
隙間産業を成功させるには、4つの掟があります。
(1)ネットワークを通じての情報交換
(2)スタッフの意識変革
(3)マルチメディアを通じての情報発信
(4)客のニーズ・評価の活用

センター運営には、地域医師会の協力・支援が不可欠であり、
加えて、重症患者の搬送先の確保です。スタッフは、
「隙間産業的医療」とは何か?「隙間産業的医療」の担い手としての
誇りを持つため、定例のミーティングや電子会議で情報を共有し、
モチベーションを高めます。

こども急病センターの役割は、来院してきた患者の診療だけでなく、
センターの存在が住民の安心につながるようなキャンペーンを絶えず行い、
住民がセンターの大切さを理解し、
ともに運営していく意識を持てるようにすることです。

来院した患者がスタッフへの信頼感、満足感を抱くことこそが、
センターへの信頼です。
真冬の真夜中に、幼い子を抱えて来院してきた親に、
「これ位の症状で、こんな時間にどうして連れてきたのか、かわいそうに」
などと、親御さんを叱責することのないよう
スタッフには注意します。

医学的には何ら問題がなくても、親は一大事と考え、来院してきたのです。
これが、こどもの時間外救急なのです。
(2009.春)
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